関節リウマチのはなし

 手足の関節が痛い、手がこわばる、あるいは健診などで血清リウマトイド因子が陽性と判定され「関節リウマチ」(以下RA)を心配されて当院を訪れる方が少なくありません。

 鑑別診断

 関節の痛みを訴える病気は多くあり、RAと他疾患との鑑別がとても大切です。RAの診断に際しては、特異的(決定的)な検査・症状はなく、例えば血清リウマトイド因子は全くの健常者でも5%前後に陽性者がみられ、逆にRA患者のうち20%位は陰性です。すなわち血清リウマトイド因子をもってRAか否かを判断することは困難で、他の検査所見や医師によって確認されたいろいろな症状を組み合わせながら診断していきます。(診断基準参照)

 RAの動向

 日本におけるRAの罹患率は0.5%、患者数は約60万人と推計されています。ただしこの数字は診断が確定している患者数で診断基準には完全にあてはまらないもの、RAと疑われる患者を含めると約300万人、リウマチ性疾患全体の患者数では1500万人と推計されます。

 早期診断・早期治療のすすめ

 RAにはさまざまなタイプがあり、発症の仕方も一様でなく、ことに男性のRAは非定型的で診断が難しく進行も早いと言われています。またRAと診断されても痛み止めだけで治療をされているため関節の破壊(変形)がどんどん進み寝たきり状態になりつつある人も多くみられます。最近では治療法も進歩し、RAを早期に発見し発症初期から抗リウマチ薬などを用いて炎症を抑えれば比較的短期間でコントロールされるようになってきています。RAもがん治療のように「早期発見・早期治療」が大切で、発症早期からあらゆる治療手段を駆使し強力に抗炎症および免疫異常の是正に努めることが世界的な流れになってきています。

 診断基準

  1)関節リウマチ診断基準(アメリカリウマチ学会:ACR、1987年)

関節リウマチ診断基準

 上記7項目のうち少なくとも4項目を満たせば、その患者は関節リウマチを有する。第1項から第4項の基準は少なくとも6週間持続しなければならない。2つ以上の臨床的診断をもつ患者も除外されない。

 

  2)早期関節リウマチ診断基準(日本リウマチ学会、1994年)

早期関節リウマチ診断基準

 この診断基準に該当する患者は詳細に経過を観察し、病態に応じて適切な治療を開始する必要がある。

(診断基準は松山赤十字病院リウマチセンター山本純己氏論文より引用)

 

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