早期発見により治療すれば治る、あるいはある程度の回復が望める認知症があります。たとえば、甲状腺機能低下などの内分泌疾患、また頭蓋骨の内側に血液がたまる慢性硬膜下血腫や脳腫瘍などによる認知症の場合、治療が可能な場合があります。長時間の放置により、脳細胞が死んだり、恒久的な機能不全に陥って回復が不可能になりますので、一日も早く受診することが重要です。治療が可能な認知症はおよそ1割といわれています。
現在、アルツハイマー病の人の脳では、記憶や学習にかかわる神経伝達物質アセチルコリンが不足していることがわかっています。このアセチルコリンの不足を防いで症状の進行を遅らせる薬(アリセプト)を早い時期から服用すると、一時的に症状を改善することや、認知症の進行を遅らせることができます。早く使いはじめると健康な時間を長くすることができます。
本人にとっては、早期に診断を受けることによって、病気が進んだときにどのような世話を望むか、財産はどう処理するか、今後の自分の生き方について自分の意思をはっきり示しておくことができます。また、介護を念等においたリフォームなどは、本人が理解できるように行うことにより混乱を低減することも可能です。家族にとっても、早期に認知症の正しい知識を身につけ原因となる病気に特有な症状を理解しておくことができれば、認知症の方との接し方を心得ることができ、本人との人間関係をよりよく保つことができるとともに、あらかじめ介護サービスの情報を得ておくことにより、不安を少しでも取り除くことができます。
日本では、年間約10万人が喫煙が原因で死亡していると推計されていますが、タバコは「病気の原因のなかで予防可能な最大の単一の原因」といわれています。喫煙者の多くはタバコをやめたいと思っているにもかかわらず、なかなか禁煙できないでいるのも現実です。これは喫煙が単に嗜好や習慣でなく、その本質がニコチン依存症という病気であるからです。当院では保険診療で新しい方法を用いて禁煙をサポートしています。
禁煙のための内服薬(チャンピックス)を1日1~2錠、12週間にわたる禁煙治療を受け、計7回通院します。診察では、チャンピックスの処方だけでなく、息に含まれる一酸化炭素濃度(タバコの煙に含まれる有害物質の1つ)の測定をし、医師からアドバイスを受けながら、禁煙を確実なものにしていきます。
ニコチネルTTSを皮膚に貼る(ニコチン置換療法)ことにより、ニコチンが体内に吸収されるように設計されています。ただし、貼るだけで禁煙できる”魔法の薬”ではありません。ニコチネルTTSを使用している間に今までの喫煙習慣に代わる生活習慣を身につけることが大切です。
スパイロ検査により肺年齢を測定し、COPD(慢性閉塞性肺疾患=タバコ病)を早期発見します。
COPDは世界的に患者数、死亡者数の増加が問題となっている肺の病気です。喫煙との因果関係が強く、発症する患者の90%が喫煙者といわれています。
コレステロールを多く含む食品の摂り過ぎや運動不足といった”不適切”な生活習慣、または”遺伝(体質)”により、知らないうちに血液中にコレステロールが増えた状態を脂質異常症(高脂血症)といいます。
まず食事・運動療法や禁煙といった「生活習慣の改善」から治療を開始します。
しかし、中性脂肪やHDL(善玉)コレステロールは、肥満との関係が大きいですが、LDL(悪玉)コレステロールは、大部分が自分の肝臓などで合成されますので、むしろ体質(遺伝)の関与が大きいといわれています。このため3~6ヶ月経ってもあまり効果がみられない人や痩せているのにLDL(悪玉)コレステロールが高い人もいます。生活習慣の改善だけで管理できない場合は、薬物療法を考慮することになります。
また女性は男性とは異なり、閉経後から脂質異常症が急速に進行します。女性ホルモンには、コレステロールの蓄積を防ぎ、動脈硬化を予防する「エストロゲン」というホルモンがありますが、閉経を過ぎるとエストロゲンが激減するため、コレステロールが急増していきます。
脂質異常の改善のためには、病態を正しく認識し定期的な検査と医師のアドバイスを受けながら自分に合った治療法を根気よく継続することが大切です。